消費者契約法2022年改正案衆院通過
2018年付帯決議が求めた取消権放棄するのか
期限切らずに「脆弱性に応じた取消権」検討開始
消費者契約法 2022 年改正案と消費者裁判手続改正案は4月 21 日、 本会議で賛成多数で可決され、 衆議院を通過した。 成年年齢を引き下げる 2018 年改正民法、 2018 年消費者契約法改正法付帯決議が求めた 「合理的に判断できない事情につけ込んだ取消権」 が実現できなかった理由を、 消費者庁は 「事業者の行為によって判断力が低下したわけではない」 「事業者の行為でなければ規定できない」 と説明したが、 「消費者の判断力の低下につけ込んだ行為」 を規定できない理由は不明確なままだ。 「脆弱な消費者、 さまざまな脆弱性がある消費者像は、 必ずしも現行の消費者契約法の枠組みでは捉えられないもの」 と答弁したが、 そうそうたる専門家が2年4カ月かけてまとめた提案を条文化する段階で初めて明らかになったというのか。 改正法案の付帯決議には、 期限も切らずに 「判断力の低下等個々の消費者の多様な事情に 『応じた』 取消権」 の検討を開始することのみが盛り込まれたが、 事業者がつけ込む行為を規定するより、 現行法で対象にならないという脆弱性に応じた取消権の創設は何倍もハードルが高い。 2018 年付帯決議の実現は放棄するのか。 待ったなしで対応が求められる超高齢化、 若年成人への消費者被害の予防救済策をこの先何年も放置するというのか。(相川優子)