日本版包装前面栄養表示で方向性
任意で、塩分相当量・熱量など5項目
1日の摂取基準値に占める割合を表示
日本人の食事摂取基準が掲げる1日の塩分摂取量 (2020 年版) は成人男性 7.5g 未満、 成人女性 6.5g 未満だが、 実際の塩分摂取量は男性 10.9g、 女性 9.3g と、 他の国を大きく上回っている―。 世界で、 加工食品の容器包装の前面に栄養成分を分かりやすく表示する取り組みが進む中、 日本でも昨年 11 月から 「分かりやすい栄養成分表示の取組に関する検討会」 (座長:石見佳子・東京農業大学総合研究所教授、 8人) で 「日本版包装前面栄養表示」 の検討が始まっている。 現行で表示義務の対象になっている熱量・たんぱく質・脂質・炭水化物・食塩相当量の5項目について、 任意で、 イタリアやタイのように 「1日の摂取基準値 (栄養素等表示基準値) に占める割合」 もあわせて表示する方向で議論が進んでいる。 産業界から義務化に強硬な反対意見が出ている中、 義務化を求める意見は出ていない。 食塩相当量のみ目立たせてはどうかなどの意見が出ている。 次回3月 12 日に中間報告をまとめる。(相川優子)
「契約の成立時はいつ?」正答率横ばい
第4回消費生活意識調査、消費者庁
消費者庁は2月1日、 第4回消費生活意識調査の結果を公表した。 同調査は、 消費者の意識や行動、 消費者トラブルの状況などを把握することを目的として行われるもので、 今回は 「消費者教育」 をテーマに実施された。 消費生活の中で基本的な知識となる 「契約の成立時」 についての正誤問題では、 全体の正答率は33.6%で、 昨年の 33.8%からほぼ横ばいの結果となった。 年代別に見ると、 15 歳~17 歳では 51%、 18 歳~19 歳では 53.1%と全体よりも高かった。 全問の平均正答率は、 20 歳代が 31.3%と最も低かった。 この結果を受けて新井ゆたか消費者庁長官は、 2月1日の会見で、 「(15 歳~19 歳は) 『社会への扉』 等の基本的な契約に関する知識についての教育効果が一定程度表れている年齢だ」 と評価した一方で、 正答率の低い 20 歳代については、 大学生協との連携や事業者向けの研修プログラムなどを通じて、 「教育を充実させていきたい」 と述べた。(原田恵理)
その注文、定期購入になっていない?
トラブル依然多く、国セン注意喚起
通信販売の 「定期購入」 に関するトラブルが後を絶たない。 PIO‐NET (全国消費生活情報ネットワーク) に寄せられた 「定期購入」 に関する相談件数は、 2022 年度には9万 8154 件で、 前年度の5万 8532 件から約4万件近く増加。 今年度の 12 月 31 日時点では5万 4627 件と、 2022 年度の同時期 (5万 2674 件) と比較して約 2000 件多いことから、 今後も増加する恐れがある。 国民生活センターは1月 31 日、 特にインターネット通販で買い物をする際に、 申し込み前の 「最終確認画面」 の内容をよく確認するよう注意喚起を行った。 画面をスクロールして最後まで読んだうえで、 スクリーンショットで保存するなどで、 トラブルを未然に防止するように呼びかけている。(原田恵理)