改正景表法10月1日施行へ
「確約手続」運用基準案で意見募集
悪質かつ重大な違反は対象外
故意に優良・有利誤認表示を行った事業者に 100 万円以下の直罰を導入する改正景品表示法が 10 月1日から施行され、 事業者の自主的な取り組みで違反のおそれがある行為を早期に是正するための 「確約手続」 も併せて導入される。 消費者庁は2月 16 日、 確約手続運用基準案や、 施行規則の一部を改正する内閣府令案などを公表し、 3月 18 日 (郵送の場合は同日必着) まで意見を募集している。 10 年以内に措置命令・課徴金納付命令を受けたことがある場合や、 根拠がないことを知りながらあえて優良・有利誤認表示を行うなど、 悪質かつ重大な違反被疑行為は、 確約手続の対象にしないことが明記された。 確約計画に消費者への購入額返金を盛り込むことは 「措置内容の十分性を満たすために有益であり、 重要な事情として考慮する」 ことも明記された。(相川優子)
第5期消費者基本計画策定へ懇談会
「隙間問題の解決 包括的規定を」
「優良事業者と極悪層 区分けを」
2025 年から 2030 年までの第5次消費者基本計画の策定に向けた有識者懇談会が2月 14 日に立ち上がった。 消費者庁は、 消費者政策が目指すべ第1の目標に 「消費者が信頼できる公正な環境の確保」 を掲げ、 事業者による自主的なルール整備や悪質事業者の排除を提起。 第3の目標を 「持続可能で包摂的な社会の実現 」 とし 「消費者法制度における規律のベストミックス 」 「非対症療法かつ実効性の高い新たな規律手段の検討」 を提案した。 委員からは 「誰もが脆弱性を持つ消費者であることを前提とした検討が必要」 「法律の隙間の問題を解決するには、 包括的な規定を置くしかない。 優良事業者と極悪層、 事業者を区分けした立法が必要」 「包括的ルールは、 どこまで適用されるか分からず導入は難しい」 「包括的ルール導入への懸念が出され、 実現できずに長い間苦しい思いをしているうちに多くの被害者が出る歴史を繰り返している。 消費生活センターに寄せられる相談件数を減らさなければ、 何をやっているのかと言われることになる」 などの意見が出ている。 次回3月 13 日に骨子案が示され、 その後6月に素案が検討される。(相川優子)
給湯器の点検商法 昨年度の3倍超
「無料で点検します」に注意、国セン
「給湯器を点検する」 などと持ちかけて、 「このままでは危険だ」 などと不安をあおり、 高額な交換費用を請求されるトラブルが急増している。 PIO‐NET (全国消費生活情報ネットワーク) に寄せられた相談件数は、 今年度の 12 月 31 日時点で 1099 件に上り、 昨年度の同時期 (346 件) と比較して3倍以上、 昨年度1年間 (561 件) と比較してもすでに2倍近くに及ぶことから、 今後も増加することが懸念される。 契約当事者の7割が 70 歳以上で、 突然の電話や訪問がきっかけとなっているケースが多く、 平均の契約金額は約 45 万円であることが分かっている。 国民生活センターは2月 21 日、 「無料で点検する」 などと言われても承諾せず、 安易に点検させないよう注意を呼びかけている。(原田恵理)