改正法施行1年半で1万人調査
内部通報制度知らない6割超
通報者への不利益取扱61人
従業員が 301 人以上の事業者に、 公益通報に適切に対応するための体制整備、 必要な措置などを義務付けた改正公益通報者保護法が 2022 年6月1日に施行されて1年半―。 消費者庁が昨年 11 月に就労者1万人を調査した結果、 「内部通報制度を知らない」 と回答した人が義務付けのある 301 人以上の事業者の従業員でも半数を超え、 努力義務とされた 300 人以下の事業者の従業員では7割を超えていた (全体で6割超) ことが2月 29 日、 明らかになった。 公益通報をしたと回答した人は 476 人 (4.8%)。 このうち、 61 人が公益通報により不利益な取り扱いを受けたと回答し、 41 人は内部通報で不利益な取り扱いを受けていた。 上司や同僚の嫌がらせが 40 人 (複数回答、 うち内部通報 24 人) と最も多く、 解雇された 14 人 (うち内部通報9人)、 降格 17 人 (同9人)、 減給 22 人 (同 10 人)、 懲戒処分 10 人 (同4人)、 不利益な配置転換 29 人 (同 15 人) だった。 新井ゆたか消費者庁長官は 「制度の普及はまだ道半ばの状況」 と述べ、 改正法の付則に盛り込まれた施行後3年見直しに向け来年度には有識者による検討会を設置する方針を示した。(相川優子)
トクホ審査、4月から消費者庁に移行
消費者委新開発食品調査部会を廃止
4月から消費者委員会で行ってきた特定保健用食品 (トクホ) の審査が消費者庁に移行される。 厚生労働省の食品衛生基準行政が消費者庁に移管されることに伴い、 消費者庁長官の諮問機関である 「特別用途食品の許可等に関する委員会」 に消費者委員会新開発食品評価第一調査会の委員を移すことを2月 28 日、 消費者委員会が了承した。 消費者委員会新開発食品調査部会と新開発食品評価第一調査会は 3 月末で廃止される。 鹿野菜穂子消費者委員会委員長 (慶応大学大学院法務研究科教授) は 「従来の議論や基準等の審査の継続性が保たれるよう、 事務局も含めてしっかりと引き継ぐ」 ことを要請。 「今後も、 トクホや機能性表示食品を含めた保健機能食品制度の運用や制度のあり方については、 消費者行政の検証・監視の一環として引き続き検討を行い、 必要に応じて意見等を発出する」 と述べた。(相川優子)
SNS副業勧誘で事業者名公表
遠隔操作アプリで被害高額化
「1日 10 分程度でも、 1日で最大 20 万円」 「スタンプ送信で報酬 GET!」 などと SNS で勧誘され、 100 万円を超える高額サポート料を契約させられる被害が多発しているとして、 消費者庁は2月 29 日、 「協栄商事」 (大阪市) と 「フィールド」 (同) の事業者名を消費者安全法に基づいて公表し、 「簡単・確実・楽に稼げる副業はない」 と注意を呼びかけた。 遠隔操作アプリをインストールさせる手口が登場し、 スマホで消費者金融から借り入れをさせることで被害額が一気に跳ね上がり、 高額化している。(相川優子)