最高裁 エーチーム・アカデミーの上告棄却
中途退学者への自主返金要請 消費者機構日本
「入学金38万円のうち31万円返せ」
特定適格消費者団体 「消費者機構日本」 は4月4日、 最高裁第2小法廷が芸能人養成スクール 「エーチーム・アカデミー」 の上告を棄却したことを受け、 同スクールに対し、 これまでに入学諸費用 38 万円を返金しなかった中途退学者等に対し、 確定した東京高裁判決に従い7万円を超える差額 31 万円を自主的に返金するよう申し入れたと会見で明らかにした。 グループ企業 「エー・ライツ」 が主催するオーディションに合格してマネジメント契約をし、 同スクールへの推薦を受けた人は 「年間 4000 人ないし 5000 人を超え」、 そのうち 「毎年 2000 人内外が入学し」、 「1年間の就学期間を満了するのは約半数程度」 であることが裁判で事実認定されている。 毎年 1000 人程度の中途退学者が出ていると見られ、 消費者機構日本は、 「中途退学者に、 返金を求めることができることを知ってほしい」 と呼びかけている。(相川優子)
衆院消費者特委 機能性表示食品めぐり論戦
今国会で健康被害報告義務化を
適正製造規範GMPも義務化を
4月9日に開催された衆議院消費者問題特別委員会では、 機能性表示食品である小林製薬の紅麹サプリメントで健康被害が出た問題をめぐり論戦が繰り広げられた。 立憲民主党は 「命に関わる話。 危機感がなさすぎる」 「日本の制度は世界一緩い」 と厳しく追求し、 最低限今国会で法改正による罰則付きの健康被害情報報告義務を課すことを求めた。 適正製造規範 GMP の義務化も求めている。 日本共産党は、 「命と健康を軽視」 していると、 制度自体を 「やめるべき」 と訴えた。 法案を提出せず内閣府令に規定して創設したことが改めて問題になっている。 自民党や公明党からも健康被害情報の報告義務、 GMP は必須などの意見が出ている。 これに対し自見英子消費者相は、 専門家による検討会を立ち上げる方針を示し、 「食品表示法の法体系の中で何ができるか考えたい」 と答弁した。(相川優子)
「機能性表示食品を巡る検討会」
来週にも設置、YouTubeで審議公開
消費者庁は4月 11 日、 9日の衆院消費者特委での自見英子消費者相の発言を受け、 機能性食品表示制度の今後のあり方を検討する 「機能性表示食品を巡る検討会」 を来週中にも設置すると公表した。 中川丈久・神戸大学大学院法学研究科教授を座長に、 9人の専門家で組織される。 5月末の取りまとめに向け、 関係者からヒアリングも実施する方針で、 週1~2回開催される。 オンライン形式で開催され、 YouTube で同時配信される。(相川優子)