調理冷凍食品個別義務表示 全て廃止で合意
エビフライ衣50%超でも%表示不要に
カニ8%未満でも「カニコロッケ」可
「調理冷凍食品のエビフライは衣の率が 50%を超えるものは、 衣の比率を%で表示する」 「冷凍ミートボールは、 食肉の含有率が 40%未満のものは食肉の含有率を表示する」 「カニが8%以上入っていなければカニコロッケと表示してはならない」 「冷凍五目チャーハンは、 具の含有率が8%以上かつ具の種類が5種類以上でなければ、 『五目』 と表示してはならない」 ―。 消費者庁食品表示懇談会の 「個別品目ごとの表示ルール見直し分科会」 (森光康次郎座長、 6人) が5月 29 日に立ち上がり、 冷凍食品に義務化されたこれらの表示を全て廃止することを合意した。 意見交換の時間はわずか 20 分。 消費者への意識調査やヒアリング、 フライの衣率やコロッケ等の実態調査もなく、 事業者からのヒアリングのみで廃止が合意事項とされた。 食品表示の国際基準であるコーデックスでは、 商品名や文字、 図等で強調されている原材料は、 製品中の使用割合を%で書くこととされている。 同懇談会は日本の食品表示制度を国際基準に合わせられるところは合わせていくで合意したはずだ。 まず、 エビフライのエビ、 カニコロッケのカニ、 ミートボールの肉の比率の%表示を実現すべきではないのか。(相川優子)
機能性表示食品制度で政府対応方針
食衛法施行規則で健康被害情報報告義務
サプリメント製造管理にGMP義務付け
小林製薬の紅麹サプリメントで健康被害が拡大した問題を受け、 政府は5月31 日、 機能性表示食品制度の見直し方針を公表した。 食品衛生法省令 (食品衛生法施行規則) で、 機能性表示食品の製造・販売事業者に、 医師の診断を受けて健康被害情報を把握した場合は、 都道府県や保健所設置市・特別区の長に報告する義務を課し、 違反した場合は業務禁止や停止の罰則がかかる仕組みとした。 機能性表示を行うサプリメントについては、 GMP (適正製造規範) に基づく製造管理を食品表示法内閣府令 (食品表示基準) で義務化する。 トクホへの同様の措置導入については速やかに検討する方針を示しているが、 サプリメントの規制については今後の検討課題としたものの検討時期は示されていない。(相川優子)
消費期限・賞味期限の設定見直し
食品ロス削減に向けて、消費者庁
消費者庁は5月、 「食品期限表示の設定のためのガイドラインの見直し検討会」 を開催した。 同検討会は、 食品の期限表示について、 食品ロス削減や食品の安全性確保の国際的な動向に配慮し、 科学的知見に基づく観点から見直しを行うもので、 今年度末までを目途に検討を重ねる予定だ。 食品事業者などへの実体的な調査やヒアリングの結果を踏まえて、 消費期限と賞味期限の区別やハザードとリスク、 賞味期限が到来した食品で 「まだ食べることができる食品」 の取り扱いなどについて見直される。 第1回目となった今回は、 期限表示制度についての振り返りや、 加工食品の期限表示設定の実態調査を目的とした事業者向けアンケートの案が議題にあがった。(原田恵理)