2022年改正消費者契約法5月25日成立
骨太の議論、先送りの口実か
そのつけはぜい弱な消費者に
2022 年改正消費者契約法案が5月 25 日、 参議院本会議で採決され成立する。 消費者庁の検討会等で2年4カ月検討して提案された判断力や心理的状況に着目した契約取消権、 脱法を防止するための困惑類型の包括的な取消権は実現せず、 「勧誘を受けている場所で、 威迫する言動を交え、 相談の連絡を妨害した」 場合など、 厳格な要件の3つの個別取消権の追加にとどまった。 参議院の審議では 「消費者庁が事業者側の主張通りに応えようと自ら枠組みを作って、 骨太の議論をしなければと1人芝居をしている」 「骨抜きの改正」 「骨太の議論をしなくても、 無意味な要件明確化をやめれば、 検討会報告書が求めた取消権の実現は可能」 などの指摘が出ている。 参議院付帯決議では 2018 年付帯決議が求めたつけ込み型不当勧誘取消権の検討が復活したが、 骨太の議論を口実に、 何年実現を先送りするのか。 そのつけはぜい弱な消費者に回ってくる。 目の前で広がっている高齢者や若年者の被害に対応できる取消権の1日も早い創設が求められる。(相川優子)