海外製品事故防止へ改正製品安全4法公布
PSマーク製品、海外事業者に国内管理人
オンラインモール事業者に出品削除要請
「消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案」 が6月 19 日に参議院本会議で可決成立し、 6月 26 日に公布された。 同法で重大事故の報告義務がかかっている輸入事業者を介さずに、 オンラインモールなどで直接消費者が購入する海外製品で重大事故が発生し、 報告すらされていない。 製品安全4法を改正し、 国内で PS マーク対象製品を販売する海外事業者に、 国内管理人を選任することを求め、 国内管理人を通して規制の対象とする。 取引デジタルプラットフォーム提供者に、 国が、 違反品等の出品削除要請ができることとし、 要請した場合は公表する。 子供の誤飲事故等を防ぐために 「子供用特定製品」 の枠組みを創設し、 技術基準・使用年齢基準に適合しない対象製品の販売を禁止し、 対象年齢や使用上の注意を促すための表示を義務付ける。 公布の日から1年半を超えない 2025 年末までに施行される。(相川優子)
PLオンブズ会議が提言
被害救済へ民事責任のあり方検討を
全国消費者団体連絡会と PL オンブズ会議は7月2日、 ネット時代の消費者の安全を守り被害救済が適正に行われるよう、 製品安全に関する行政規制に引き続き、 民事責任のあり方についても検討を求める提言を、 自見英子消費者相、 齋藤健経産相らに出した。
同会議は、 製造物責任法 (PL 法) が 1995 年7月1日に制定されたことを記念し、 毎年7月1日に製品安全に関する報告会を開催してきた。 2024 年度は6月 19 日に可決成立した改正製品安全4法の内容や、 2023 年6月に大手通販サイト、 フリマサイトなどの運営事業者7社が国と策定して署名した 「製品安全誓約」 に基づき、 リコール製品や安全でない製品が 2023 年末までに自主的に 1927 件、 経済産業省等からの要請に応じ 161 件が、 誓約通り2営業日以内に出品削除されたことなどが報告された。(相川優子)
顕在化する消費者の脆弱性
デジタル社会の課題、消費者白書
今年6月に閣議決定された 2024 年消費者白書では、 「変化する取り引き環境と消費者~デジタル社会と消費者の脆弱 (ぜいじゃく) 性」 と題して特集を組んでいる。 オンライン取り引きでの 「負の側面」 として、 顕在化しやすくなる消費者の 「脆弱性」 を、 ▽類型的・属性的脆弱性▽状況的脆弱性▽限定合理性による脆弱性-の3つに分類し、 消費生活で合理的な判断を妨げられる場面を紹介している。 そのうえで、 「わかりにくい解約方法」 や 「売れ切れまでのカウントダウンタイマー」 などの、 消費者を意図しない行動に誘導する仕組みや、 「おすすめ表示」 や 「ターゲティング広告」 といった AI 技術による情報の個別化、 フリマでの販売やクチコミを発信する消費者の行動の変化などを取り上げ、 誰もが無関係ではないデジタル化社会がもたらす社会課題について解説している。(原田恵理)