食品表示基準 個別表示ルール見直し
「マーガリン類」「みそ」は維持
業界団体考え方で維持・廃止に齟齬
3回目の食品表示懇談会 「個別品目ごとの表示ルール見直し分科会」 (森光康次郎座長、 5人) は7月 22 日、 業界団体からの要望通り 「マーガリン類」 「みそ」 の個別ルールは存置し、 「炭酸飲料」 は廃止することを合意した。 炭酸飲料の個別ルールが廃止されることで、 「果糖ブドウ糖液糖」 は 「異性化液糖」 と表示できることになる。 ファットスプレッドの油脂含有率は、 日本マーガリン工業会が高齢者の役に立っていることを理由に現状維持を求め、 存置される。 みその①純・純正②天然・自然③醸造期間の表示禁止事項も 「消費者の合理的な選択を阻害するおそれがある」 と全国味噌工業協同組合連合会が主張し、 維持される。 業界団体の考え方次第で、 維持・廃止で齟齬 (そご) が出ている。 消費者側委員から、 冷凍フライの衣率表示 (エビフライ 50%以上など) や調理冷凍食品の表示禁止事項 (カニが8%入っていないカニコロッケ、 そばが 30%入っていないそば等) などは残すべきとして再度検討を求める意見書が出されたが、 消費者庁は今後、 食品表示懇談会や消費者委員会食品表示部会でも議論されることを理由に退けた。 食品表示懇談会の合意事項にはなっていなかったスケジュール表を新たに示し、 この分科会で廃止で合意した内容は本年度中に食品表示基準を改正して反映させる方針を改めて示している。(相川優子)
日本版包装前面栄養表示の検討再開
年度内ガイドライン策定へ
加工食品750品目表示実態調査
加工食品の容器包装前面に栄養成分表示を分かりやすく表示する 「日本版包装前面栄養表示」 の検討が7月 24 日、 再開された。 対象外とすべき食品区分や、 販売時と摂取時の栄養成分量にかい離が生じる茶葉や塩蔵品などの取り扱い、 ロゴマークなどを検討し、 年度内にガイドラインを作成する。 スーパーマーケットで販売されている加工食品 750 品目を対象に、 標準的な調理例に基づく栄養成分表示などの実態を調査する。 食品表示基準8条 (表示の方法) に位置付け、 任意表示として、 表示する場合の方法を示す方向だ。(相川優子)
「財」と「材」の不足課題
消費者教育推進会議、消費者庁
消費者庁は7月 30 日、 第 38 回消費者教育推進会議を開催した。 今回のテーマは 「地域における体系的な消費者教育の推進」 で、 地方公共団体などでの取り組みの報告が行われた。 地域での推進の担い手となる 「消費者教育コーディネーター」 の配置については、 都道府県では 47 全都道府県、 政令市では堺市と北九州市を除く全て (18 市)、 中核市では 62 市のうち 12 市でそれぞれ配置が済んでいることが、 同庁から報告された (2023 年度4月1日時点)。 コーディネーターの担い手には行政職員や消費生活相談員、 教員 (OB・OG も含む) などが多く、 兼務も少なくない。 各地で工夫している点として▽校長会や教員の研修会に出前講座の活用を呼びかける▽弁護士と消費生活相談員のコラボ授業を実施している-などが挙げられる一方、 課題としては▽コーディネーターの専任配置にかかる財源がない▽人手が不足-など、 「財」 と 「材」 の問題が報告された。(原田恵理)