改正特商法・預託法の契約書面等電子交付
施行まで1年切る、検討会の議論本格化
「書面による承諾、控え交付」が争点
全国 180 の消費者団体や弁護士会、 地方議会などが反対意見を出しても削除修正ができなかった改正特定商取引法・預託法の契約書面等の電子化施行まで1年を切った。 消費者庁の 「特定商取引法等の契約書面等の電子化に関する検討会」 (座長、 河上正二東大名誉教授、 11 人) は5月 30 日、 本格的な議論に入った。 7カ月に渡る 19 団体からのヒアリングを踏まえ、 委員が各論点での意見を表明。 相談現場を持つ、 あるいは、 被害救済に当たる消費者団体の意見は、 消費者の真意に基づく承諾を得るには、 承諾書面を用いて必要事項を説明し、 直ちに控えの交付が必要とする意見が大勢になった。 一部事業者団体は反対しており、 国会の付帯決議や国会消費者庁答弁に沿った内容で決着できるかどうかが焦点だ。 消費者のメールサーバーに電子データが届いても、 開封しないままクーリング・オフ期間が進行してしまうのでは、 その場で書面交付する場合と消費者保護機能に大きな差が出るとして、 事業者に送付の確認を義務付け、 確認する手順を政省令等に盛り込むことなどを求める意見が出ている。(相川優子)