食品表示懇談会2つ目の分科会発足
食品容器包装上の義務表示
デジタルツールで代替え検討
食品の容器包装上の表示をデジタルツールに代替えできないかを検討するための食品表示懇談会 「食品表示へのデジタルツール活用検討分科会」 が 10 月1日立ち上がり、 5年程度かけて検討を進める方針が示された。 コーデックスのガイドラインが 11 月末にも決定される見通しだが、 諸外国でデジタルツールで代替えしている例は現状ではほとんど見られない。 米国で遺伝子組み替え食品が含まれている旨の表示を代替え可としている程度だ。 中小メーカーも含め提供するデータをどこまでとし、 その規格をどう統一するか、 どのように収集して公開するのか、 実現可能性を含め技術面から検討する。 消費者庁自ら国が収集する方式は予算面で非現実的と検討の選択肢から除外している。 食品表示懇談会の合意事項である国際基準に合わせるための検討は、 デジタルツール活用に一定の目処がついてからと同庁は説明しているが、 一体、 いつになるのか。 日本ではなぜ、 容器包装以外の表示スペースを確保できなければ、 国際基準への整合化が検討できないとしているのかは疑問でしかない。(相川優子)
個別品目表示見直し分科会4回、5回目から
うに加工品 うに%表示不要に
国際基準への整合とは逆行
個別品目ごとの表示ルール見直し分科会4回、 5回目の検討内容から報告する。 うに加工品の塩うに含有率の%表示を廃止することで合意され、 消費者が品質を判断するために必要な情報は減る。 食品表示懇談会は国際基準 (コーデックス規格) にあわせられるところはあわせるとしながら、 逆の方向に見直しが進んでいる。 一方で、 かさ増しにつながる塩蔵わかめの食塩含有量は、 現行通り 40%を超えた場合の%表示は維持される。 業界団体の考え方で差が出ている。 即席めんの個別表示ルールは全て廃止で合意され、 禁止事項である 「そば粉が 30%に満たないものの 『そば』 表示」 なども全てなくなる。 業界団体は、 そばと表示される即席めんについては、 公正競争規約に同様の規定があるため、 そば粉 30%以上は維持されると説明しているが、 公正競争規約はあくまで業界の自主ルールに過ぎない。 違反しても行政処分が行われるわけではない。 品質に関する食品表示基準を、 横断ルールに合わせることを名目に、 業界自主ルールに移行する方向で見直すのか。(相川優子)
「食の輪プロジェクト」
食への取り組み一体化を目指して、消費者庁ほか
消費者庁は9月、 「食の輪プロジェクト」 の特設ウェブサイトを開設した。 「食の輪プロジェクト」 とは、 今年6月に同庁と環境省、 農林水産省が共同で発足したものだ。 ▽食品ロス削減▽食品寄付促進▽食品アクセスの確保-の3つの施策を包括する概念に 「食の輪」 と名付け、 共通のロゴマークを使用して、 関係府省庁や地方公共団体が一体的に取り組むことを目指す。 今後、 関係府省庁が地方自治体や民間事業者に対し、 食品ロス削減や食品寄付促進に関わる施策を説明する際などには、 「食の輪プロジェクト」 の取り組みである旨を伝えるほか、 発出文書や動画、 パンフレットなどについても、 ▽ 「食の輪プロジェクト」 の一環であること▽ロゴマークを掲載すること-を申し合わせる。 また、 食品ロス削減などに取り組む民間団体等にもロゴマークの使用を認める。(原田恵理)