改正特商法施行から2年余
定期購入相談件数高止まり
縛りなし契約後に定期縛り移行
国民生活センターが 2016 年6月に定期購入で初の注意喚起をしてから8年―。 2022 年6月にはネット通販の最終確認画面に6項目の記載を義務付ける改正特商法が施行され、 行政処分件数は6件になったが未だに相談件数が高止まりし、 増加傾向にある。 定期縛りなしと表示された申し込みボタンを押した後に、 チャットボットページ上に出てくる割引クーポンやさらにお得などのボタンを押し、 定期購入に移行させられる 「アップセル」 と称する手口が広がっている。 行政処分では対応されず、 相談現場では契約後の申し込み画面を確認できずあっせん交渉に苦戦している。 ほとんどの事業者が取り消しや解約に応じず、 荒稼ぎした後に店じまいし、 名前を代えて同様の被害を発生させている。 行政処分だけで被害を抑止することができるのか。 クーリングオフや不実告知取消権等の導入、 後払い決済事業者への法規制、 プラットフォーム事業者への規制、 不当利得を吐き出させるための具体策の検討などを求める声が現場から出ている。(相川優子)
食物アレルギー2024年度全国実態調査速報
カシューナッツ義務表示へ
ピスタチオ推奨表示へ検討を
消費者庁の新井ゆたか長官は 10 月 17 日、 食物アレルギーの 2024 年度 (調査期間 2023 年度) 全国実態調査結果の速報を公表し、 「カシューナッツ」 を公定検査法が確立し次第、 義務表示にするための手続きに入る方針を示した。 ショック症例数は表示義務がある落花生やえび、 そばを上回り5番目 (前回6番目) に多くなっていた。 「ピスタチオ」 は即時型症例数が 14 番目 (同 20 番目)、 ショック症例数は 10 番目 (前回 13 番目) に多く、 推奨表示に追加するための検討が急がれる。 年内に詳細な結果を報告し、 年度内に開催される 「食物アレルギー表示に関するアドバイザー会議」 で専門家の意見を聞いて決定される。(相川優子)
食品期限表示「安全係数」見直し
設定ガイドライン見直し検討会、消費者庁
消費者庁は 10 月 21 日、 「食品期限表示の設定のためのガイドライン見直し検討会」 を開催した。 同検討会は、 食品ロス削減や食品の安全性確保の国際的な動向に配慮し、 科学的な知見に基づく観点から食品期限表示の見直しを行うもので、 今年度末までを目途に検討が重ねられる。 2回目となる今回は、 加工食品を製造する食品関連事業者を対象に行われたアンケートの結果報告の他、 ガイドライン見直し案の検討が行われた。 食品の期限表示設定についてのアンケートでは、 現行のガイドラインが十分に理解されていないために微生物試験が重複して行われているなどの他、 安全係数の設定が必ずしも適切ではないことなどが分かった。 これらを受けて、 期限表示設定の指標や安全係数、 賞味期限切れでまだ食べることのできる食品の取り扱いなどを論点に、 新たなガイドライン策定に向けた議論が行われた。(原田恵理)