食物アレルギー表示の妥当性検証
「くるみ」ようやく義務表示へ
「カシューナッツ」も義務化必要
食物アレルギーで命に係わるショック症状を引き起こした症例数が、 表示義務がない 「くるみ」 が鶏卵、 牛乳、 小麦に次いで4位 (2017 年調査でも4位)、 同様に表示義務のない 「カシューナッツ」 も6位 (同7位) と、 表示義務がある 「えび」 「そば」 「かに」 より多くなっていたことが6月6日、 食品表示部会で公表された 「2021 年度全国実態調査結果 (2020 年調査)」 で明らかになった。 「くるみ」 については、 消費者庁はようやく検査法の開発のめどが立ったとして、 年度内に表示義務化を諮問する方針を示したが、 「カシューナッツ」 も早急な表示義務化が求められる。 推奨表示 21 品目に入っていない 「ピスタチオ」 はショック症例数 13 位 (発症数 18 位)。 「マカダミアナッツ」 もショック症例数 14 位 (同 13 位) で、 発症数は 2019 年9月に推奨表示に追加された 「アーモンド」 (ショック症例数 12 位、 発症数 15 位) を上回った。 ショック症状発生頻度は、 「ピスタチオ」 が1位で、 「アーモンド」 「小麦」 「カシューナッツ」 の順と、 木の実類はショック症状を起こす割合が高いのも大きな特徴だ。 「ピスタチオ」 「マカダミアナッツ」 の推奨表示への追加も急がれる。 「まつたけ」 は1 年調査以降1例も発症例の報告はない。 除外を含めアレルギー表示全体の機動的な見直しを求めたい。(相川優子)