公益通報者保護法見直し
立証責任 事業者への転換も
「解雇」「懲役」限定、期間1年
公益通報者保護法を見直している検討会で 11 月 18 日、 不利益取り扱いが公益通報を理由に行われたことの立証責任を労働者から事業者に転換する対象も、 「解雇」 と 「懲戒」 に限定し、 その期間は1年とする案が消費者庁から示された。 「解雇」 と 「懲戒」 は合意が得られたが、 「配置転換」 で意見が分かれている。 内部通報体制整備義務が果たされた場合は適用除外することなどを要件に対象とできないか検討を求める意見が出ている。 通報妨害については、 罰則の対象とはせず、 通報妨害の禁止と違反した場合の無効を新たに法律に規定する。 内部通報体制整備義務のうち、 守秘義務違反に罰則規定がある公益通報対応業務従事者指定義務違反に、 勧告に従わない場合の命令や立入検査、 命令を行っても違反が是正されない場合の刑事罰を導入する方向だ。 12 月4日に報告書案が示される。(相川優子)
刑事罰「解雇」「懲役」で妥当か
海外比較 日本の保護要件緩い
通報対象の範囲 日本は狭い
不利益取り扱いのうち刑事罰の対象を 「解雇」 「懲役」 に限定するのは妥当か。 同日は前回に引き続き、 罰則に着目した主要先進国との比較や、 日本の雇用慣行などを踏まえて議論された。 日本の公益通報者保護法の保護要件は他国に比べ緩いという指摘の一方で、 前提となる通報対象の範囲が他国より狭いために、 該当する事案がかなり少なくなっており、 刑事罰の対象を限定する理由にはならないとの反論が出た。 定期異動のある企業は7割に上り、 転勤を伴う異動を拒否する意向がある人が3割程度あることなども報告された。 配置転換や退職勧奨を刑事罰の対象とするかどうかは意見が分かれたままだ。(相川優子)
微生物原材料のサプリメント
原材料の規格を設定 同等同質か確認
GMPガイドラインを改正
小林製薬の紅麹サプリメントで健康被害が相次いだ問題を受け、 消費者庁は11 月 18 日、 微生物の培養や発酵工程を経て生産される原材料を用いるサプリメント製造事業者に、 原材料に規格を設定し、 同等性同質性を確認するための試験や分析を求める 「微生物等関連原材料指針」 案を公表した。 想定していない成分が生成されたり、 想定されている成分でも含有量が想定を超えて増減する可能性があることから、 年内にも、 いわゆる健康食品を対象にしたサプリメント GMP (適正製造規範) ガイドラインを改正して追加する方針だ。 近くパブリックコメントが行われる。(相川優子)