全国の消費生活相談体制 後退しないのか
相談員いない706市町村41%に
全額補助国の交付金981自治体で終了
相談員がいない市町村が 2024 年度は 706 自治体 (全市町村の 41%) になり、 2019 年度以降 103 自治体増えた。 60 歳以上の相談員が半数を超えた。 消費者行政を担当する専管の課や係がある自治体は 2012 年度には4割超まで増えていたが、 2割に減った―。 こんな状況下で、 相談員人件費や消費者教育・啓発などに原則7年間 (小規模自治体など最長 11 年間) 10 分の 10 補助で活用できる国の交付金が今後 981 自治体で終了する。 このうち相談員人件費に活用している自治体は 420 自治体。 2025 年度までにその8割で国の補助がなくなる。 「相談員2人のうち1人を削減せざるを得ない」 「週3日の相談日を2日にせざるを得ない」 「約 300 万円の人件費を自主財源に置き換えるのは非常に困難」 「新たな補助金を探してこいと言われ困っている」 「自主財源への置き換えができず、 すでに影響を受けている啓発や消費者教育が壊滅的な打撃を受ける」 「緊急性が高く、 危機感を持って対応策を検討してほしい」 など深刻な訴えが消費者行政の現場から出ている。 消費者庁創設後、 消費者行政分野の優先度を高める状況にはなっていない。 交付金の延長や、 現場が使いやすい効果的な交付金制度への見直しが求められる。(相川優子)
地方自治体が直面する2つの課題にどう対応
補助率10分の10交付金終了
2025年度まで758自治体
このような状況下で、 地方自治体は今大きな2つの課題に直面している。
1つ目は、 2017 年度までに立ち上げた新規事業に原則7年間 (小規模自治体+2年、 首長表明+2年で最長11 年間) 2027 年度まで補助率 10 部の10 で使える地方消費者行政強化交付金推進事業分が活用期限を終える。現時点で 981 自治体が活用し、 20.6 億円分ある。 このうち、 相談員人件費に活用している自治体は 420 自治体、 8.5 億円分ある (1面表参照)。8割に当たる 785 自治体 (うち相談員人件費に活用している自治体 348 自治体) が 2025 年度までで国の補助を受けることができなくなる。(相川優子)
2024年度消費者庁補正予算案24.7億円
地方消費者行政強化交付金16億円
国民生活センター海外対応を強化
消費者庁の 2024 年度補正予算案が 11 月 29 日、 閣議決定された。 地方消費者行政を支援するための地方消費者行政強化交付金は 16 億円が盛り込まれた。 同交付金は来年度当初予算の要求額自体が 25 億円と前年度 (28 億円要求、 当初予算 16.5 億円) から3億円減額要求されており、 補正で確保した 16 億円と合わせて前年度 (31.5 億円) 並みの交付金が確保できるかどうかが焦点だ。(相川優子)