地方自治体への全額補助交付金終了
適格消費者団体への委託事業にも影響
「にっちもさっちもいかなくなる」
「自治体からの委託事業がなくなるとにっちもさっちもいかなくなる」 ―。 2017 年度から原則7年間 (最長 11 年間)、 10 分の 10 補助で地方自治体が活用できる国の交付金終了に伴い、 県や市による補助金や委託事業が打ち切られる適格消費者団体が出ている。 不当な契約条項や勧誘・表示などを差し止める訴訟ができる適格消費者団体は全国に 26 団体しかないが、 会費と寄付では運営ができず、 多くの団体が自治体の補助金や委託事業を受けている。 それでも、 差止請求のための検討会や文書作成、 訴訟の準備を行う弁護士や相談員への謝礼は支払うことができず、 ほとんどがボランティアで運営されている。 「自治体からの委託事業がなくなると運営自体が厳しくなる」 「ボランティアでは限界があり継続が難しい」 「全く報酬が出ないのでは若い人に広がらない」 という深刻な訴えに、 消費者庁はどう応えるのか。(相川優子)
球形チーズで1歳児が窒息死
国センが注意喚起
今年8月に、 1歳児が球形のチーズを食べて窒息して死亡する事故が発生していたことを受け、 国民生活センターは 12 月 20 日、 注意喚起を行った。 死亡事故の情報は、 11 月に PIO‐NET (全国消費生活情報ネットワーク) に寄せられたもので、 1歳の男児にキャンディータイプ (フィルムに包まれ端がねじってあるもの) の直径およそ2㎝のチーズを与えたところのどに詰まらせ、 すぐに吐き出させようとしたが出てこなかったという。 救急搬送して病院に入院したが、 12 日後に死亡した。 球形の個装チーズによる子どもの窒息に関する情報は、 PIO‐NET 以外にも医療機関ネットワーク (消費者庁と同センターの共同事業による参画医療機関からの事故情報収集網) にも寄せられている。 球形のチーズだけでなく、 丸くてつるっとした食品は窒息のリスクがあることから、 子どもに与える際には無理なく飲み込める大きさにするなどの注意が必要だ。(原田恵理)
体験を通した消費者教育を
消費者教育フェスタin埼玉、文部科学省
文部科学省は 12 月 10 日、 2024 年度消費者教育フェスタ in 埼玉を開催した。 企画・運営を公益財団法人消費者教育推進センターが担い、 「18 歳成人に向けた幼少期からの消費者教育」 をテーマに、 教育関係者や行政職員、 企業や大学、 NPO 職員などを対象に行われた。 会場とオンライン配信でそれぞれ 150 人が参加した。 基調講演では、 東京大学名誉教授の汐見稔幸氏が 「子どもの主体性を引き出す学び~幼少期からの消費者主権を目指して~」 と題して、 大量生産・大量消費の社会だからこそ、 つくる過程での苦労や試行錯誤などについて、 体験を通して知ることの重要性を訴えた。 会場となった SKIP シティ彩の国くらしプラザは、 消費生活をテーマにした本格的な参加体験型施設で、 会場参加者らは、 体を動かし遊びながら学べる消費者教育ゲームなどを通じて交流を深めた。(原田恵理)