食物アレルギー表示2025年度中に追加
義務表示に「カシューナッツ」
推奨表示に「ピスタチオ」
消費者庁は1月 21 日、 2025 年度中に食物アレルギーの義務表示に 「カシューナッツ」 を、 推奨表示に 「ピスタチオ」 を追加する方針を決めた。 2024 年度 (調査期間 2023 年1月から 12 月) 全国実態調査の結果、 木の実によるアレルギーが著しく増加し、 「カシューナッツ」 の割合は前回調査の 1.6 倍、 「ピスタチオ」 は2倍に増えていた。 「カシューナッツ」 の即時型症例数は7位、 ショック症例数は5位で、 いずれも義務表示対象であるえびやかに、 そばを上回る。 「ピスタチオ」 は即時型症例数が 14 位で直近の実態調査で2回上位 20 品目 (前回 20 位) に入り、 ショック症例数も 10 位と高い。 輸入量も増加し、 見ても分からないペースト状での使用が多いことから推奨表示に追加する。 即時型症例に占めるアナフィラキシーショック発症頻度は、 「マカダミアナッツ」 が 18.8%と1位で、 「ピスタチオ」 は 14% (3位)、 「カシューナッツ」 13.3% (4位) と、 ショック症状を引き起こしやすい特徴もある。 「ピスタチオ」、 「カシューナッツ」 ともにウルシ科で、 交差反応性 (どちらかにアレルギーがある人が食べた場合にアレルギー症状が出る場合がある) があり、 早急な情報提供が求められる。(相川優子)
コーデックス食品表示部会検討状況報告
アレルゲンリスト改訂原案
「甲殻類」「魚」と表示
同日は、 昨年 10 月 27 日から 11 月 1 日までカナダで開催された 「第 48 回コーデックス食品表示部会」 のアレルゲン表示に関する検討状況も報告された。 最終採択された 「包装食品の表示に関するコーデックス一般規格(GSLPF)の改訂原案―アレルゲン表示に関する条項」 では、 追加されるアレルゲンリストには 「甲殻類」 「魚」 と表示することが規定されたが、 消費者庁は、 日本は従来通り 「患者の食品選択の幅を過度に狭めることがないように、 類別名ではなく現在の個別の食品名を表示することを維持する」 方針を示した。(相川優子)
米国「食用赤色3号」使用許可取り消し
伊東大臣「要否含め対応検討」
米国 FDA (食品医薬局) が1月 15 日、 米国連邦食品医薬品化粧品法のデラニー条項により、 食品添加物の 「食用赤色3号」 の使用許可を取り消すと発表した。 伊東良孝消費者相は1月17 日、 定例会見で日本の対応を問われ、 「現時点では、 米国の発表でも、 食用赤色3号の使用が人に危険を及ぼす科学的な根拠が認められたわけではないとされている」 との認識を示し、 「米国の決定内容を精査し、 諸外国の動向等も踏まえて、 科学的見地からわが国の対応の要否を含め検討する」 方針を示した。(相川優子)