旧統一教会合同電話相談 7割が金銭トラブル
「献金は契約に当たる」法務省が見解
「消費者契約法の適用も可」
「旧統一教会」 問題関係省庁連絡会議は9月 30 日、 9月5日から開設した合同電話相談窓口の受付状況を公表した。 9月 22 日までに寄せられた 1952 件のうち旧統一教会による被害を訴えた相談 1317 件を分析した結果、 7割が金銭トラブルで、 そのうちの半数近くを献金が占めていた。 信者からの相談は1割に満たず、 親族からの相談が半数近くを占め最も多かった。 同会議は、 悩みを解決するヒントとなる Q&A を公表し 「宗教団体への寄付 (献金含む) は贈与等の契約の当たる」 「消費者契約法の適用も可能」 との見解を示した。 消費者庁の霊感商法検討会の中では 「献金のうち、 金額を明示して勧誘した場合は契約と捉えられることが多い」 と異なる見解が示されている。 統一した解釈で、 現行法でどのようなケースが救えないのか相談事例を分析し、 消費者契約法にとどまらず、 救済・被害防止のための具体的な法改正や立法につなげる検討が急がれる。 合同電話相談窓口は 10 月以降も継続して開設される。(相川優子)
消費者庁、ようやく旧統一教会相談件数開示
2022年度285件に急増、2021年度27件
消費者庁も9月 30 日、 ようやく、 全国の消費生活センターなどに寄せられた旧統一教会の相談件数を公表した。 2020 年度は 33 件、 2021 年度は 27 件に過ぎなかったが、 2022 年は 285 件 (9月 28 日登録分) と、 7月の安倍晋三元首相銃撃事件以降急増していた。 2020・ 21 年度の相談 60 件の平均既払い額は約 270 万円だった。 2022 年度分の分析はなく、 いまだに相談事例は公表されていない。
立憲が「悪質献金被害救済法案」
「特定財産損害誘導行為」を禁止
違反行為による献金取り消し
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の問題への対策を検討してきた立憲民主党は 9 月 29 日、 いわゆるマインドコントロール下に置かれた人に著しい損害を生じさせる高額献金を防止し救済するための 「悪質献金被害救済法案」 を了承した。 「特定財産損害誘導行為」 を定義して禁止し、 違反行為によって行われた高額な寄付や物品購入の意思表示を取り消すことができる仕組みを盛り込んでいる。 3 日から始まった臨時国会に提出する方針。 野党共同で提出したい考えで、 日本維新の会などと調整を進めている。(相川優子)