ステルスマーケティング規制へ
景品表示法の告示に包括規定追加
運用基準で明確化する方向
インターネット上で、 報酬を得ているにもかかわらず (あるいは事業者が第三者と偽って) 広告とは明らかにせずに、 口コミなどを装って商品やサービスを宣伝する 「ステルスマーケティング」 ―。 消費者庁の検討会では、 早急に対応するために、 法改正が必要ない景品表示法5条3号指定告示に追加する方向で議論が進んでいる。 指定告示は包括的な規定とし、 運用基準で詳細を示すことを求める意見が大勢を占めている。 広告であることを隠す行為に規制がないのは、 OECD 加盟国 (GDP 上位9カ国) では日本のみ。 EU では、 事業者が報酬を支払ったことを明示しない記事広告や、 報酬の支払いを開示しない検索サイト、 事業者が消費者であると虚偽の表示をすること、 虚偽・不実の消費者レビューも不公正な取引方法として禁止されている▽米国では、 広告主は、 推奨者との間の重要な結びつきを開示しなかったことについて責任を負い、 さらに推奨者もその推奨の一環として行われた表示について責任を負う場合があるとされている―ことなどが報告された。 EU では民事的救済が盛り込まれ、 フランスや旧加盟国のイギリスなどでは刑事罰も規定されている。 景表法の指定告示では、 課徴金の対象にはならない。 どう実効性を確保するのかが問われる。(相川優子)
第6回食品ロス削減全国大会inさいたま
食品ロス削減表彰授賞式など
今年で6回目となる 「食品ロス削減全国大会」 が 10 月 30 日、 埼玉県さいたま市 (市民会館おおみや) で開催された。 関東以北が開催地となったのは初で、 同市は 「今後北日本が、 一層削減への取り組みを強化する契機にしたい」 と名乗りを挙げた。 大会前半では、 2022 年度の食品ロス削減表彰の表彰式が行われた。 内閣府特命担当大臣 (消費者食品安全) 賞は、 企業や行政を巻き込んで地域循環型食品ロス削減ネットワークを構築した NPO 法人 e ‐ワーク愛媛が、 環境大臣賞は、 社会貢献型インターンシップ 「クラダシチャレンジ」 で人手不足に悩む地方農家の未収穫ロス削減に貢献した㈱クラダシが受賞した。 消費者庁長官賞には地元農家の規格外野菜で学校給食を提供する草加市立花栗中学校と、 産地や青果市場で発生する規格外品ロスに取り組んだ富山中央青果㈱が選出された。(原田恵理)
不用品回収サービスで高額請求
国セン、注意喚起
引っ越しや自宅整理の際に利用する 「不用品回収サービス」 のトラブルが増加している。 SNS に飛び込んでくる広告や自宅に投函されたチラシなどで 「定額パック××円」 や 「トラック詰め放題」 と安価を装い、 回収作業の終了後に高額な料金を請求するという手口で、 なかには家一軒丸ごとの不用品回収を依頼して 500 万円請求されたケースもある。 一般家庭から出される廃棄物の収集・運搬には廃棄物処理法に基づく 「一般廃棄物処理業の許可」 または 「市区町村からの委託」 が必要だが、 トラブルとなっている事業者は産業廃棄物処理業の許可のみの事業者や、 一般廃棄物処理業の無許可の事業者が目立つ。 国民生活センターは 11 月3日、 不用品回収のニーズが増加する 12 月の大掃除や年明けの引っ越しシーズンを前に、 注意喚起を行った。(原田恵理)