2022年度地方消費者行政現況調査結果
相談員、無料で養成しても22人減
会計年度任用職員、雇い止め調査廃止
2022 年度の地方消費者行政現況調査結果が 10 月 27 日公表され、 消費生活相談員がまた、 22 人減ったことが明らかになった。 2019 年度と 2020 年度に相談員が 100 人減り、 消費者庁は、 2020 年度から 6000 万円余をかけて、 約 2400 人を対象に無料の国家資格試験対策講座を実施してきたが、 就職が確認できたのは、 2年で 19 人。 相談員の減少が止まらない。 相談員がいない市町村は、 2018 年以降 91 自治体増え、 全市町村の4割を超えた。 40 歳代以上の相談員が 96%を占めている。 2020 年度から8割の消費生活相談員が、 会計年度任用職員に移行し、 3年目、 あるいは5年目には、 相談員の欠員がなくても、 公募により再度選考を受けなければならない相談員が増えているが、 消費者庁はその調査すら今回から廃止した。 更新回数制限を抑止し、 消費生活相談員の継続的雇用を確保し専門性を高める政策は放棄するのか。 国家資格にしながら、 身分の不安定さ、 生計を担えない待遇自体に問題がある。 抜本的な対策を早急に検討しなければ、 何のために消費者庁を創設したのかということになる。(相川優子)
消費者庁 自治体間連携による
「消費生活相談員の職階制」提案
消費者庁は今夏、 都道府県に非公開で 「消費生活相談サービス運営標準ガイドライン(たたき台)」 を示し、 消費生活相談員の報酬を段階的に引き上げるために、 都道府県や政令市、 市町村の自治体間連携による 「消費生活相談員の職階制」 を提案している。 現在、 消費生活相談デジタル・トランスフォーメーションに向けた試行に手を挙げた一部自治体と精力的な意見交換を行っている。
消費者行政専任職員150人減
市町村の10%兼務職員が増加
2022 年度地方消費者行政現況調査から、 地方自治体で消費者行政を担当する事務職員数の推移をみると、 消費者行政を専任で担当する専任職員の数が、 消費者庁創設後 152 人も減少している。 消費者行政担当職員総数は 24 人減にとどまっているが、 実際に増えたのは、 消費者行政を 10%しか担当しない市町村の職員だ。