消費者庁創設14年で職員倍増405人
2023年度予算案3年振りに増額123.7億円
消費者庁の定員が 2023 年度、 創設から 14 年で 405 人と、 消費者庁創設時の2倍になる。 昨年の臨時国会で成立し、 1月5日に施行される寄付不当勧誘防止法に対応するための職員 10 人をはじめ、 デジタル不当広告の監視、 物価対策強化などで 20 人の増員が認められた。 12 月 23 日に閣議決定された 2023 年度消費者庁予算案も、 3年振りに増額に転じ、 123.7 億円 (前年度比 6.3 億円、 5.4%増) が措置される。 年々減少していた地方消費者行政を支援するための 「地方消費者行政強化交付金」 は 17.5 億円 (補助率 10 分の 10 の推進事業分 17 億円、 補助率2分の1の強化事業分 0.5 億円) と、 昨年と同額が確保された。(相川優子)
景表法改正へ検討会が報告書案
悪質事案に直罰規定導入を
繰り返す違反に課徴金割増
景品表示法に課徴金が導入されて6年9カ月。 法律の付則に規定された施行後5年見直しを行ってきた消費者庁の検討会は 12 月 22 日、 改正に向けた報告書案をまとめた。 表示と実際に乖離 (かいり) があることを知りながら違反行為を行う悪質事業者に対応するため、 直罰規定の導入を検討すべきとした。 繰り返し違反行為を行う事業者の課徴金算定率を割り増し、 違反行為を早期に是正するために、 すでに独占禁止法で運用されている 「確約手続」 を導入することを提言している。 来年の通常国会に景表法改正案を提出する方針で、 罰金の直罰を規定し、 違反を繰り返す事業者には課徴金を 1.5 倍に割り増す方向だ。 特定適格消費者団体への消費者庁が行政処分時に作成した書類の提供は、 すでに特定商取引法では 2022 年6月から実現し現時点で問題は生じていないと報告されたにもかかわらず、 少なくとも特商法の運用状況等を1年程度見た上で近い将来に検討すべきとして、 先送りした。 ステルスマーケティングが禁止される指定告示への課徴金導入は、 中長期的な検討課題としている。(相川優子)
実在会社の名をかたる偽SNS ・メール急増!
フィッシング詐欺に注意喚起、国セン
実在する事業者の名をかたってメールや SNS を送り付け、 「不正アクセスがあった」 などと不安をあおり、 「以下の URL から再度入力を」 と誘導して、 クレジットカード番号や暗証番号、 アカウント情報 (パスワード・ID) などの個人情報を盗み取る 「フィッシング」 詐欺が急増している。 PIO‐NET に寄せられたフィッシング詐欺に関する相談は今年 11 月末時点で 9160 件に上り、 昨年同時期の 6885 件と比較して約 1.3 倍となっている。 国民生活センターは 12 月、 「不正利用が確認された」 などの内容で送られてきたSNSやメールに対しては、記載の URL に安易にアクセスせず、十分に警戒してほしいと注意を呼び掛けている。(原田恵理)