事業者の表示隠すステマを禁止
年度内 景表法「告示」に指定
事業者の表示であるにもかかわらず、 消費者がそのことを判別できない表示が、 2022 年度内には景品表示法5条3号の指定告示に追加され、 不当表示として禁止される。 昨年 12 月 27 日、 河野太郎消費者担当相が、 同日の検討会終了を踏まえて明言した。 施行までに6カ月程度の周知期間が設けられる見通しで、 日本でもようやく、 本年秋には 「ステルスマーケティング (ステマ)」 が規制されることになる。 おとり広告などと同様の位置づけで、 措置命令の対象にはなるが、 課徴金の対象にはならない(ステマに優良・有利誤認表示があった場合は課徴金の対象になる)。 広告主以外、 悪質な不正レビューを募集する仲介業者や、 企業から報酬や商品の無償提供などを受けながらそのことを隠して不当表示を行ったインフルエンサーは、 規制の対象外だ。 消費者庁の検討会が同日まとめた報告書は、 「早急に規制する必要があることからすると、 (略) 告示として新たに指定することが妥当かつ現実的」 としながらも 「それでもステルスマーケティングがなくならない場合は、 景表法の見直しも含めたさらなる規制が必要になってくる」 と指摘している。 中長期的な検討課題に規制対象の拡大、 デジタルプラットフォーム提供者への対応、 インフルエンサーへの動機づけとなる新たな制度 (独禁法の減免制度に類似した制度や報奨金制度) や、 課徴金制度導入などを挙げている。(相川優子)
寄付不当勧誘防止法1月5日施行
Q&A「返金求めない念書は無効」
寄付不当勧誘防止法 (行政規制部分を除く) が1月5日、 施行された。 消費者庁は 20 の設問からなる Q&A を公表し、 困惑した状態でサインをした返金を求めない 「念書」 は、 「民法の公序良俗に反するものとして無効になり得る」 との見解を明確に示した。 衆議院の修正で、 配慮義務を順守しなかった場合の勧告が盛り込まれたが、 勧告で返金を求めることは 「一般論としては、 民事不介入の原則があることから、 個別の返金の実施を勧告することは困難」 とした。 「法人等に対して返金の相談に真摯に対応するようにといった勧告をすることは考えられる」 とも説明している。 より詳細な逐条解説が 1 月中には公表される見通しだ。 借金や、 自宅、 田畑、 工場などを処分させて寄付を要求する行為の禁止規定、 法人への報告徴収・勧告・公表 (配慮義務を順守しない場合含む)、 禁止規定違反の勧告に従わなかった場合の措置命令、 措置命令に従わなかった場合の公表、 罰則は、 公布から1年を超えない政令で定める日から施行される。 行政措置の対象となる違反事実の認定は、 これらの規定の施行日以降に行われた行為が対象となることも Q&A で説明されている。(相川優子)
消費者庁・食品ロス削減ナイター
東北楽天 VS 千葉ロッテ戦で
消費者庁は昨年 12 月、 「大規模イベント会場における食品ロス削減実証」 の結果を報告した。 同実証は、 2025 年の大阪・関西万博の開催を見据えて、 飲食を伴う数万人規模の大規模イベントで来場者に対する啓発やフードドライブを実施し、 イベント会場での食品ロス削減モデルを構築することを目的に行われたもの。 東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地球場 「楽天モバイルパーク宮城」 で 「消費者庁 食品ロス削減ナイター」 を開催し、 来場者向けの食品ロス削減啓発を行った。 結果は、 食品ロス削減の呼びかけがない場合と比較して、 球場での食品ロス削減に努めようと意識した人の割合が8%程度上昇した。 また、 来場者が排出する食品ロス量について、 呼びかけ実施期間を平均した場合には売り上げ当たりの食品ロス量が 11.3%、 動員数あたりの食品ロス量が 17.9%、 食品延べ購入人数あたりの食品ロス量が 11.9%削減した一方で、 日によっては売り上げ当たりや動員数、 食品延べ購入人数に変化が見られないこともあった。(原田恵理)