景表法改正案 国会へ
故意の優良・有利誤認表示に100万円以下の直罰導入
表示を裏付ける根拠がないと知りながら効果をうたうなど、 故意に優良誤認表示や有利誤認表示を行った行為者、 法人に 100 万円以下の直罰を導入する景品表示法改正案が2月 28 日、 閣議決定され、 国会に提出された。 10 年以内に課徴金納付命令を受けた事業者の課徴金算定率を 1.5 倍に割増し、 4.5%とする。 違反行為を早期に是正するために、 違反の疑いがある表示をした事業者に消費者庁が通知をし、 事業者が自ら作成した 「是正措置計画」 を内閣総理大臣が認定した場合は、 措置命令や課徴金納付命令を行わない 「確約手続」 を導入する。 事業者名や、 違反被疑行為の概要、 是正措置計画の認定の概要などが公表され、 是正措置計画が実施されない場合は、 認定を取り消し、 通常の調査に戻る。 景品表示法処分時に消費者庁が作成した書類の特定適格消費者団体への提供は、 見送られた。(相川優子)
小中学校の死亡事故防止へ
「窓際の棚、撤去を」
消費者事故調が緊急呼びかけ
小学校で窓際に置かれた棚に登って窓から転落する死亡事故がこの 10 年で4件起きていたとして、 消費者庁の消費者安全調査委員会 (消費者事故調) は、 直ちに小中学校の窓際の設置物を確認して 「窓際の棚を撤去する」 ことを呼びかける。 あわせて 「固定されていない積み重ねた棚」 がないかも確認して、 固定する、 棚を下すなどの対策も求める。 全ての小中学校で施設や設備の安全点検が行われていたが、 365 の小中学校で使用されている点検表を調査した結果 「窓の下の設置物」 など窓からの転落の危険性が点検項目が入っていた学校は 14.2%に過ぎなかった。 実際に小中学校4校を訪問して調査した結果、 4校全てで窓際に棚やロッカーが置かれ、 固定されないまま積み重ねられてる棚やロッカーが確認された。 避難口に自転車や机が置かれたり、 いまだに首が引っかかるおそれがある上向き V 字型の支柱がある遊具が設置されている学校があった。 点検手法の改善と、 専門的な外部人材の活用支援を文部科学大臣に求める。(相川優子)
「学ぶ」「考える」「行動する」
消費者教育基本方針変更案まとめる、消費者庁
消費者庁は、 2月 27 日に開催した第 34 回消費者教育推進会議で、 「消費者教育の推進に関する法律 (推進法)」 に基づく 「消費者教育の基本的な方針 (基本方針)」 の変更案をまとめた。 今回の変更では、 高齢化や在留外国人の増加といった消費者の多様化や、 デジタル化の進展や自然災害の増加などの社会情勢の変化を踏まえて、 ▽ 「(受動的に) 教えられる」 だけでなく、 消費者が自らおよび相互に 「学ぶ」 「考える」 「行動する」 ことを促進する▽多様な消費者 (特に若年者・高齢者) の特性を踏まえてきめ細やかに対応する▽デジタル化への対応▽消費者市民社会の一員としての行動を促進する―といった消費者の自立支援を基本的視点として新たに加えた。 「合理的意思決定ができて被害に遭わない」 というレベルにとどまらず、 より良い市場とより良い社会の発展のために積極的に関与することで、 「消費者市民社会」 の形成に参画して SDGs の達成にも寄与できるような高度に自立した消費者の育成を目指す。(原田恵理)