ステマを景表法指定告示で禁止
画期的な一歩、10月1日施行
EU、米国に比べ規制緩く
消費者庁は3月 28 日、 事業者の表示であるにもかかわらず、 消費者がそのことを判別できない表示 「ステルスマーケティング (ステマ)」 を、 景品表示法5条3号の不当表示に指定し、 禁止した。 施行は 10 月1日。 G7 (米、 英、 仏、 独、 伊、 カナダ、 日本)、 OECD 加盟国 (GDP 上位9カ国:韓国、 豪州) でも、 ステマ規制が行われていないのは日本だけ。 半年で検討し、 規制を導入した点は画期的と高く評価できる。 ただし、 規制の対象は広告主だけで、 不正レビューを募集する仲介ブローカーやインフルエンサーなどは対象外。 優良誤認などがないステマ自体は、 課徴金の対象にならないなど、 EU や米国の規制に比べると緩い。 消費者庁は、 執行後に、 プラットフォーム運営事業者らと連携して、 不正レビューを募集する投稿の削除要請を行う方針を示しているが、 まだまだ一歩を踏み出したばかりだ。 世界に発信していくには、 事業者もインフルエンサーも、 国際水準を踏まえる必要がある。(相川優子)
寄付不当勧誘防止法 行政措置4月1日施行
処分基準 未だ公表されず国会で審議
厳格な要件「修正案提出者答弁を記載」
寄付不当勧誘防止法の行政措置、 罰則部分が4月1日、 処分基準が公表されないまま施行された。 与野党5党合意で、 衆議院で修正され、 3つの配慮義務への勧告、 公表、 報告徴収が規定されたが、 意見募集された処分基準案の勧告の要件は、 「配慮義務違反を認定して不法行為責任を認めた判決が存在する場合」 など、 極端に厳格だ。 昨年 12 月9日に与野党の修正案提出者が修正合意後に国会で答弁した内容がそのまま規定されている。 3月 30 日、 4月4日に開催された衆院消費者問題特別委員会では、 野党からの追及に消費者庁は 「修正案提出者の答弁の内容を記載している」 「修正案の提出者により明示的に示された例は尊重すべきもの」 と繰り返し答弁している。(相川優子)
格安SIMマルチ3社に取引停止命令
「広告見ると電話代ただ」
数十秒の動画1回1円告げず
数十秒の広告動画を見ても1回1円にしかならないにもかかわらず、 「アプリで動画の広告を見ると携帯電話料金がただになる」 と故意にその事実を告げずに勧誘したとして、 消費者庁は3月 30 日、 格安 SIM を使った通信サービスのマルチ商法を展開していた大阪市の3事業者に、 取引停止命令を出した。 故意の事実不告知が違反認定されているため、 連鎖販売取引契約の取り消しが可能になる。(相川優子)