マグネットセット 水で膨らむボール
消費生活用製品安全法の特定製品に追加
経済産業省は5月 16 日、 消費生活用製品安全法改正政令が閣議決定され、 誤飲で子どもの開腹手術が必要になるマグネットセットと水で膨らむボールを、 同法の特定製品に指定すると発表した。 内径が 31.7㎜の小部品シリンダー (図参照) に収まる磁石製娯楽用品と吸水性合成樹脂製玩具が対象で、 「磁束指数が 50kG2・mm2 未満」 「吸水前の状態から 50%を超えて膨潤しない」 基準を満たさないものの販売が禁止される。 ストレス解消などを目的に 14 歳以上向けのマグネットセットが販売されていることから、 2022 年9月に米国の規制が変更されたことなどを踏まえ、 「磁石製玩具」 ではなく 「磁石製娯楽用品」 を規制対象とした。 磁石自体をくっつけて楽しむ娯楽用品が対象で、 プラモデルの部品などは対象にならない。 改正政令の公布は5月 19 日。 施行は6月 19 日。(相川優子)
大手電力7社の電気料金値上げ認可
15.3%から39.7%引き上げ
消費者庁値上げ幅圧縮に一定の役割
経済産業省は5月 19 日、 大手電力会社7社が申請していた電気規制料金の値上げを正式に認可した。 6月使用分から平均で 15.3%~39.7%引き上げられることで決着した。 消費者庁は、 直近の燃料価格を用いて燃料費を再算定することや、 コストの厳格な効率化を求め、 値上げ幅の圧縮に一定の役割を果たした。 カルテルなど不正事案の影響があったことや業界全体が高コスト体質であることを指摘し、 査定方針に各電力会社のコスト効率化をフォローアップする枠組みを新たに設けることが追記された。 消費者庁も今後、 フォローアップに参画する。 値上げ幅は、 当初申請から3.4 ポイント~13.9 ポイント圧縮されたが、 それでも値上げ幅は大きい。 ざまざまな生活用品の値上げが続く中で、 9月までとされている政府の激変緩和措置は延長されるのか。 消費生活への影響が懸念される。(相川優子)
アナログ戻しでようやく行政処分
「アナログに戻せば安くなる」とサポート契約
「Area.ic」関連6社に訪販3カ月業務停止命令
「光回線をアナログ回線に戻せば安くなる」 と、 訪問販売で高齢者らに毎月 3000 円から 5000 円ものサポート契約をさせていた 「Area.ic」 (エリアアイシー、 札幌市中央区) と関連会社6社に対し、 消費者庁は5月 18 日、 特定商取引法違反で訪問販売に3カ月の業務停止命令を出したと発表した。 アナログ戻しのトラブルが急増し、 NTT 東西をはじめ総務省、 国民生活センターが注意喚起を行い、 「手続きは消費者自身でも可能である」 ことを呼びかけたのは 2021 年8月から12 月。 ようやく初の行政処分が行われたが、 「アナログ戻し」 は、 消費者が NTT 東西の 「116」 に電話すれば対応されるにもかかわらず、 違反の認定は、 「6カ月後もサポート契約を解約しない限り、 サポート契約の支払いが継続して発生することを故意に告げなかった」 という対価の故意の事実不告知等に届まっている。 消費者庁は 「6社のサポート契約は、 電話代などを安くすることをサポートするための相談サービスで、 消費者自身で手続きできることを告げなかったこと自体で違反を認定することは困難」 と説明している。(相川優子)