骨太の方針2023原案に「消費生活相談の体制再構築」
相談員のキャリアパス明確化、処遇改善へ
「ドラスティックな再構築必要」河野消費者相
政府の「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2023」原案に、「消費生活相談のサービス向上への体制再構築」が盛り込まれていることが6月7日、明らかになった。河野太郎消費者担当相は9日の閣議後会見で、「どのような再構築を検討しているのか」を問う本紙の質問に対し、「消費生活相談員のキャリアパスを明確にする、処遇を改善するといったことを通じて、体制を再構築していかなければならないと思っている。ドラスティック(思い切った、過激)な再構築も必要かと思っている」と述べた。(相川優子)
食ロス削減で法的措置検討
寄付・食べ残し提供に免責
食べられるにもかかわらず捨てられている 「食品ロス量」 の 2021 年度の推計値は、 約 523 万㌧。 新型コロナ禍で大きく減った昨年 (約 522 万㌧) に比べ、 1万㌧増え6年振りに増加に転じた。 6月9日、 農林水産省と環境省が公表した。 消費者庁は、 2030 年度までに 489 万㌧ (2020 年度比で半減) に削減する国際目標を達成するため、 食品をフードバンクに寄付をしたり、 食べ残しを提供して事故が起きた場合の免責について、 法的措置の検討に着手する。 フードバンクを認定し、 損害賠償保険への加入を義務付けられないかも併せて検討する。(相川優子)
食品表示、国際基準への整合化
夏以降、消費者庁に有識者懇談会
「水」「一括名表示」など焦点
骨太の方針 2023 原案には、 「食品表示基準の国際基準への整合化を推進する」 ことも盛り込まれた。 消費者庁は夏以降、 有識者らで組織する懇談会を発足させ、 検討に着手する。 添加された水の原材料表示、 添加されているにもかかわらず省略が認められている食品添加物の一括名表示、 国際基準はあるが日本では、 公正競争規約しかないチョコレートやはちみつなどの表示基準をどう見直すかなどが焦点になりそうだ。 懇談会メンバーの人選が注目される。(相川優子)