不意打ち性あるチャット勧誘
電話勧誘と同等の勧誘規制を
消費者委WGが報告書
「○○ママ」 や管理栄養士などの個人を装うチャット勧誘による消費者トラブルに対応するため、 内閣府消費者委員会の 「デジタル化に伴う消費者問題ワーキング・グループ」 (座長:後藤巻則・同委委員長) は7月 20 日、 チャットを利用した勧誘のうち、 不意打ち性のあるものに、 特定商取引法の電話勧誘販売と同等の勧誘規制を導入することを求める報告書をまとめた。 再勧誘のほか、 不実告知・故意の事実不告知など事業者の不当性の強い行為を禁止し、 適合性原則違反を指示対象行為とすることなどに加え、 被害を救済するための取消権やクーリング・オフの導入が必要とした。(相川優子)
目の前の被害放置するのか
消費者庁“ちゃぶ台返し”か
同日の検討会では、 当初からオブザーバーとして参加してきた消費者庁取引対策課から、 「チャット等の明確な定義が検討の前提」 「広告規制で被害を防止できない事情が検討されていないため新たな規制導入の主張は適切ではない」 「PIO‐NET (全国消費生活情報ネットワークシステム) にチャット勧誘のキーワード設定がないことを理由に具体的な相談件数が出せないとするなど、 新たな規制の導入の必要性・許容性の議論のいずれも欠く」 ―など、 報告書案が示された段階で“ちゃぶ台返し”とも受け取れる内容の意見書が出された。 消費者委員会委員からは、 「やらないことを前提にするのではなく、 前向きにやってほしい。 被害が増え続けている現状をしっかりみてほしい」 「まずは目の前の被害を止めるべき」 「情報商材に関する消費者安全法の注意喚起が 2022 年度に 10 件も出ている状況で、 立法事実がないということにはならない」 などの厳しい意見が出ている。(相川優子)
寄付不当勧誘防止法行政措置施行3カ月
情報提供453件、不当勧誘の疑い56件
消費者庁は7月 20 日、 寄付不当勧誘防止法の行政措置部分施行後3カ月間に寄せられた寄付勧誘情報の受付件数が 453 件になったと公表した。 このうち不当勧誘行為が疑われる案件は 56 件だった。 新井ゆたか消費者庁長官は同日、 1カ月ごとの受付件数の公表は今回で終了し、 次回は9月末時点で不当勧誘の疑いがある案件の調査の進捗状況を含め公表する方針を示した。(相川優子)