破綻必至商法に行政による破産申立権を
消費者委員会WGが歴史的報告書
内閣府消費者委員会の 「消費者法分野におけるルール形成のあり方等検討ワーキンググループ」 (座長:後藤巻則消費者委員会委員長、 10 人、 以下 WG) は7月 28 日、 過去に甚大な消費者被害を何度も発生させながら被害回復が困難だった極悪層の 「破綻必至商法」 に、 行政による破産申立権の創設などを求める報告書をまとめた。 2009 年に施行された消費者庁・消費者委員会設置法の付則に盛り込まれた重い宿題に、 14 年かかって、 ようやく応えたという点では歴史的な報告書といえる。 行政が事業者の違法収益を没収し、 被害者の被害額を認定して配分する制度の創設や、 関係省庁の主務大臣に解散命令の申し立て権限を認めることなども提言されている。 消費者庁がこの内容を真摯 (しんし) に受け止め、 本委員会がこの内容を盛り込んだ建議を発出できるかどうかが注目される。(相川優子)
ビッグモーターの内部通報体制
公益通報者保護法で初の報告徴収
消費者庁の新井ゆたか長官は8月3日、 「内部通報体制が未整備であることが確認できた」 として、 保険金の不正請求を行っていたビックモーターに対し、 公益通報者保護法に基づき報告を求めたことを明らかにした。 同法に基づく報告徴収は初めて。(相川優子)
消費者教育教材資料表彰受賞者
大臣と懇談会、消費者庁
消費者庁は8月3日、 「消費者教育教材資料表彰 2023 (公益財団法人消費者教育支援センター主催)」 の各受賞者と河野太郎消費者担当相との懇談会を開催した。 同表彰は、 同センターが、 学校での消費者教育の充実・発展に寄与することを目的に、 行政、 企業・業界団体、 消費者団体から教材を募集し、 教育の現場で役立つ優秀な教材を選出するもので、 1997 年から実施されている。 今年度は5月に受賞者が公表され、 6月 30 日に表彰式が行われた。 受賞者は、 内閣府特命担当大臣賞に(株)横浜銀行、 消費者庁長官賞に愛知県、 認定 NPO 法人開発教育協会の 2 団体、 消費者教育支援センター理事長賞に第一生命保険(株)で、 それぞれが同大臣に向けて、 受賞した作品の内容を紹介した。(原田恵理)