消費者庁2024年度予算概算要求
食品衛生基準行政移管で最多170億円
消費生活相談体制再構築へ実証モデル事業
消費者庁は8月 31 日、 2024 年度予算の概算要求額を公表した。 2024 年4月に厚生労働省から食品衛生基準行政を移管するための予算 26.2 億円を含め、 総額 170 億円 (前年度比 37.4%増) と過去最大の要求額となった。 政府の骨太の方針 2023 に明記された 「消費生活相談のサービス向上への体制再構築」 を推進するための予算に、 PIO‐NET 刷新などシステム基盤整備のほか、 国民生活センターに消費生活相談のデジタル化をリードする相談員を配置して、 音声入力やリモート相談などに取り組む実証モデル事業が盛り込まれた。 消費者庁が7月に実施した説明会に対する地方自治体からの意見や質問の提出期限は9月中旬とされ未だ集約されておらず、 真摯に意見を聞いて政策に反映することが求められる。 「地方消費者行政強化交付金」 は前年度の要求額 30 億円 (2023 年度当初予算 17.5 億円) より少ない 28 億円 (補助率 10 分の 10 の推進事業分 17 億円、 補助率2分の1の強化事業分 11 億円) と、 減額要求となった。(相川優子)
トイレ修理最安値うたい高額請求
消費者庁、消費者安全法で事業者名公表
「水の関東 24」 のサイト名で 「水漏れ・つまり修理 関東最安値 220 円~」 などとうたいながら、 高額なトイレ修理代金を請求していたとして、 消費者庁は8月 24 日、 消費者安全法で事業者名 「RS 設備」 (東京都台東区) を公表した。 事業者の登記はなく、 サイトは6月に閉じられており、 「同様に安値をうたい高額請求する類似の事業者が多数いる。 ネット上の安値は必ずしも信用できない」 と、 注意を呼びかけた。(相川優子)
美容医療サービスのトラブル 過去最多
不安をあおる勧誘に注意喚起、国セン
国民生活センターは8月 30 日、 美容医療サービスについての注意喚起を行った。 美容医療サービスに関するトラブルは年々増加傾向にあるが、 2022 年度は 3000 件を超えて、 過去最多となった。 トラブルとなっているケースには、 消費者が SNS やインターネットの広告で見た美容外科などにカウンセリングだけのつもりで予約して来院すると、 「今やったほうがいい」 「今やらなければ間に合わない」 などと言われ、 その場で契約と施術を迫る勧誘を受けた事例などが目に付く。 美容目的の施術は多くの場合緊急性がなく、 施術によっては副作用や後遺症などのさまざまなリスクも伴うことから、 同センターは、 「割り引き」 を示されたり不安をあおられても、 その場で契約せずに慎重に検討するように呼びかけている。(原田恵理)