消費者法制の再編・拡充へどう検討
消費者の「脆弱性」捉えるべき
「事業者の意図的な利用」は規制
8月 31 日に消費者庁が公表した 2024 年度予算概算要求に、 「消費者法制の再編・拡充に向けた具体的検討」 のための1億円が盛り込まれた。 同庁の 「消費者法の現状を検証し将来のあり方を考える有識者懇談会」 が1年かけて検討して7月にまとめた議論の整理では、 消費者法は 「消費者の脆弱性」 を正面から捉え、 脆弱性を事業者が意図的に利用する場合などを規制する役割があることなどが整理された。 消費者法に詳しい専門家は、 議論の整理については高く評価しつつ、 検討の次のステップが見えず、 どう実現していくかが不透明だと指摘する。 検討の手順を分かりやすく示し、 脆弱性につけ込んだり、 脆弱な状況に追い込んだりした場合の一般的なルールの導入にどうつなげていくのかが問われている。(相川優子)
大麻系成分「THCH」8月から「指定薬物」
摂取で緊急搬送も、国セン注意呼びかけ
大麻系成分 「THCH」 を含む食品やカプセルを接種したことで、 救急搬送された等の事例が複数みられるとして、 国民生活センターは9月、 「THCH」 を含有する商品について、 購入や使用をしないよう注意喚起した。 「THCH」 は、 大麻草に含まれる特有の化学物質 「カンナビノイド」 の一種で、 グミやクッキー、 電子タバコのリキッドに 「リラックス成分」 などとして含まれて販売されてきたが、 摂取すると体調不良やめまい、 幻覚や意識不明に陥るなどの危険性がある。 今年8月に厚生労働省によって新たな 「指定薬物」 として規制されたことで、 医療等の用途以外での製造、 輸入、 販売、 所持、 使用が禁止された。 禁止以降も一部のインターネットのフリーマーケットなどで取り引きされている実態があることから、 同センターは、 「THCH」 を含む商品には絶対に手を出さないよう注意を呼びかけている。(原田恵理)
美白クリームでかぶれ
個人輸入の化粧品や医薬品に健康被害の恐れ、国セン
インターネットの通販サイトなどで海外から個人輸入が可能な美容クリームに、 国内では承認されていない医薬品成分が含まれている恐れがあるとして、 国民生活センターは9月6日、 注意喚起を行った。 同センターが開設する 「医師からの事故情報受付窓口 (ドクターメール箱)」 に寄せられた情報によると、 患者 (20 歳代、 女性) がインターネットの評価を見て購入した美白クリームを、 皮膚の色素沈着のある部分に使用したところ、 かぶれて色素沈着がより強くなったという。 患者は、 「化粧品」 という認識で商品を購入していた。 医師が該当する美白クリームを確認したところ、 個人輸入で購入が可能な商品で、 国内では医師の処方が必要な医薬品成分が含まれていた。 含有されていた医薬品成分は作用が強いことから、 基本的には軟膏 (なんこう) として顔へ使用することが禁忌とされているのにもかかわらず、 販売サイトでは、 顔にも使用できると宣伝している事例もあった。 同センターは、 個人輸入の医薬品や化粧品などについて、 注意を呼びかけている。(原田恵理)