消費生活相談DXアクションプラン2023
相談業務平準化へ県単位の協力体制提案
全国の自治体から危惧、困惑の声
消費者庁の 「消費生活相談デジタルトランスフォーメーション (DX) アクションプラン 2023」 では、 消費生活相談のデジタル化に伴う新たなマネジメント手法として、 自治体間の相談業務平準化のための 「都道府県を1つの単位として対応できる自治体間協力体制 (各都道府県の実情に応じたさまざまな協力体制) の構築」 が提案されている。 東京都と神奈川県、 埼玉県は9月 11 日、 「消費生活相談は自治事務、 基礎自治体と広域自治体に上下関係がない点が考慮されておらず、 危惧する」 として、 自治体が他自治体の相談を受ける理由や根拠を具体的に示すことなどを求める意見書を出した。 全国の他の自治体からも 「今回の提案は、 消費者安全法の改正なしに可能なのか」 「市民の税金で市民のために相談員を雇用しており、 他自治体の相談を受けるのは自治事務の範囲を超えている」 「自治体の職員 (会計年度任用職員含め) が他自治体の業務について指導・監督する権限はない」 など疑問や困惑の声が噴出している。(相川優子)
「○○ペイで返金」のつもりが送金?
決済アプリを使った新手の詐欺に注意喚起、国セン
決済アプリを使った新手の詐欺が目立ち始めている。 インターネットショッピングで商品を購入した消費者が、 販売事業者から 「決済アプリを使って返金する」 と言われ、 スマートフォンで返金手続きを誘導されているうちに、 「返金」 してもらうつもりがいつの間にか 「送金」 してしまっていた、 という手口だ。 現在までに少なくとも全国で 100 件程度確認されている。 人気のある商品を市場より安い価格で販売していると見せかけて購入させ、 事業者のほうから 「欠品」 などを理由に 「〇〇ペイで返金する」 と申し出て、 決済アプリの操作を指示して送金させるという。 こういった手口は今後増加する恐れがあるとして、 国民生活センターは9月、 注意喚起を行った。(原田恵理)
コーディネーター配置の自治体 増加傾向
消費者教育の取り組み状況調査、文科省
文部科学省は今年3月、 消費者教育コーディネーターの存在が自治体での消費者教育への取り組みに与える影響などを調査し、 報告書にまとめている。 同報告書は、 2010 年度~2021 年度の間に過去5回行われた 「消費者教育に関する取り組み状況調査」 の結果をもとに経年比較を行い、 状況の変化と今後の課題を分析したもの。 消費者教育コーディネーターを配置している自治体が増加傾向にあることがわかった。 自治体へのアンケートの結果によれば、 コーディネートを行う人材や機関等を配置している自治体は、 配置していない自治体に比べて 「教育振興基本計画 (教育基本法で地方公共団体の策定は努力義務) の中に消費者教育に関する記載がある」 「地域協議会を設置している」 「地方消費者行政強化交付金を活用した事業を行っている」 などの項目に 「ある」 と回答した割合が高く、 課題について 「どのような取り組みをすればいいのか分からない」 や 「関連する機関・民間団体等との連携が十分でない」 と答えた割合が低かった。(原田恵理)