貴金属の訪問購入トラブル増加
皿のはずが指輪強引買い取り
承諾した品物以外勧誘禁止守られず
金の高騰で、 またしても指輪やネックレスなどの強引な訪問購入の相談が増えている。 貴金属の押し買いが社会問題化し、 2013 年2月 21 日以降は飛び込みの訪問勧誘が禁止されているが、 電話で 「皿1枚でも」 「困っている人の役に立てる」 などと消費者宅への来訪を承諾させ、 指輪やネックレスなどを勧誘して強引に安く買い取っている。 買い取りを承諾した品物以外の勧誘も禁止されているが、 守られていない。 引き渡し時に、 8日間のクーリング・オフ期間は買い取った物品の引き渡しを拒絶できることを契約書面に書いて、 その場で口頭で伝えることも義務付けられているが、 守られていない。 被害を拡大させない早急な行政処分と規制内容の周知が求められる。(相川優子)
サポート詐欺 被害高額化
送金時遠隔操作で「00」追加
請求額100倍の400万円被害も
パソコン使用中に突然偽警告音とともに 「トロイの木馬ウイルス検出」 などの偽警告画面が出て、 表示された番号に電話をさせるサポート詐欺の被害が、 高額化している。 ネットバンキング利用者の送信時に遠隔操作で 「00」 を瞬時に追加され、 請求額の 100 倍の 400 万円を送金させられた。 コード番号入力にミスがあると前払式電子マネーを何回も購入させられ送金した。 ハッカー対策で 「金融庁が指定する口座に一時的に移動してもらいたい」 と言われ、 ATM から数十万円を振り込んでしまったなどの被害が報告されている。 消費者庁が9月 28 日、 消費者を欺く行為が確認できたとして消費者安全法に基づいて公表し、 「Alt」 「F4」 のキーを同時に押すか、 「Ctrl」 「Alt」 「Delete」 キーを同時に押して警告画面を消し、 表示された電話番号には電話しないよう呼びかけている。(相川優子)
消費者庁 第2回消費生活意識調査結果公表
「食ロス削減」普及啓発の課題浮き彫り
消費者庁は 10 月、 2023 年度の第2回消費生活意識調査の結果を公表した。 「食品ロス」 を中心に行われた今回の調査では、 「食品ロス問題を知っていて、 削減に取り組んでいる人」 の割合は全体の 76.7%で、 政府が 「食品ロス削減の推進に関する基本的な方針」 で目標としている 80%に届いていないことが分かった。 食品の賞味期限・消費期限については、 「消費予定に関係なく、 なるべく期限の長い商品を購入している」 が 45.6%と半数近くを占め、 「消費予定の近いものはなるべく期限の短い商品を購入している」 は 27.2%に留まった。 また、 「mottECO (モッテコ)」 と銘打って、 政府が 2020 年からキャンペーンを実施している 「飲食店での食べ残しの持ち帰り」 については、 直近1年間では、 「持ち帰ったことがない」 が 67.7%と最多で、 「持ち帰らない理由」 では、 「持ち帰るという発想自体がなかった」 が 25.1%と最も多く、 消費者の間に根付いていないことが明らかになった。 自見はなこ消費者担当相は 10 月5日の会見で、 「普及啓発の課題を改めて認識した」 と述べた。(原田恵理)