消費者契約法改正案の国会へ
新たに追加される契約取消権
威迫する言動交え相談妨げた場合
消費者契約法改正案が3月1日閣議決定され、 国会へ提出された。 若年者の消費者被害に対応する契約取消権は 「①勧誘を受けている場所で、 契約するかどうか相談するため電話などで事業者以外の人に連絡する意思を示したにもかかわらず、 ②威迫する言動を交えて③連絡することを妨げた場合」 と規定された。 4月からの成年年齢引き下げで増加が懸念される消費者被害に対応するため、 消費者庁の 「消費者契約に関する検討会」 が1年9カ月かけてまとめた報告書は、 検討時間を制限して焦らされたり、 長期間の勧誘で疲弊させられたり、 広告と異なる内容の勧誘で不意を突かれたりして、 消費者の判断が歪められた場合の取消権を提案していたが、 実現しなかった。 2018 年改正では、 デート商法と就活セミナーに対応するための非常に厳格な要件の契約取消権しか導入されていない。 2009年10 月に 18 歳への成年年齢引き下げが適当と答申した法制審議会が、 その前提とした消費者被害が拡大しないための施策が実現しているとはいい難い。(相川優子)