146年振り 成年年齢引き下げ
消費者被害防止の法整備
実現しないまま
2022 年4月1日、 1876 年の太政官布告以来 146 年振りに、 成年年齢が 18 歳に引き下げられた。 2018 年6月 13 日に成立した成年年齢を引き下げる改正民法の付帯決議が、 成立後2年以内に求めた 「消費者被害の拡大を防止するための法整備」 は、 4年近くを経て実現しないままだ。 消費者庁が制度面で対応済みと主張する 2018 年消費者契約法改正で、 2つの若年者向け契約取消権が 2019 年6月から施行されたが、 その対象と想定されたデート商法の相談件数は 2020 年度以降、 増えている。 中でも、 消費者委員会の答申になかった 「社会生活上の経験が乏しい」 要件が追加され、 30 歳代から 80 歳代までの相談割合が増えている。 今国会には、 「勧誘を受けている場所で、 威迫の言動を交え、 相談の連絡を妨害」 した場合の契約取消権の追加が提案されてはいるが、 検討会報告書が求めた 「契約しない判断を妨げられる状況を作り出し、 意思決定をゆがめた場合の取消権」 とはかい離している。 またしても包括的な規定を盛り込むことができなかった。 しかも、 施行は公布から1年だ。 政府の責任は大きい。(相川優子)