「定期購入」60歳以上の相談半数超
法改正1年でも相談減らず高止まり
11 月 16 日、 衆議院消費者問題特別委員会で立憲民主党の吉田統彦氏が詐欺的な定期購入対策で 「早急な特商法の改正」 を求めたのに対し、 自見英子消費者担当相は 「相談は概ね減少傾向。 行政処分も行い、 改正法の順守状況を確認していく段階」 と答弁した。 最終確認画面に6項目の表示を義務付けた改正特定商取引法が 2022 年6月に施行され1年5カ月が経過したが、 行政処分はわずか1件。 同日登録分の 2023 年度定期購入相談件数は、 4万 4843 件 (前年同期4万 2151 件) と前年同期を上回っている。 月別相談件数も、 法改正後も2から3倍に激増した1、 2月より減ってはいるものの、 毎月 5000 件を超え法改正前に比べ減っているとは言い難い。 相談件数は高止まりしている。 最も相談が多く寄せられていた年代も 50 歳代から 60 歳代に移り、 60 歳以上の相談件数が全体の半数を超えた。 相談現場からは 「今なお1日数件の定期購入の相談が入っており、 相談は減っていない」 「改正法は、 最終確認画面にさえ書いておけばいいというお墨付きを逆に与え、 行政処分で違反が認定されたのは小さな文字で2回目以降の契約条件を記載した部分にすぎない」 「脱法的な悪質・巧妙な手口 (注文時に別コースの案内がポップアップする事例が典型) が横行している」 「適格消費者団体が悪質な定期購入事業者に精力的な改善要請を行なっているが、 別の会社名で同様の画面で別商品の販売が始まり、 モグラ叩き状態」 「法改正等の抜本的な対策が必要」 など、 あまりに消極的な答弁に批判の声が出ている。 相談件数を減らすための早急な法改正が求められる。(相川優子)
旧統一教会の被害者救済へ
立憲維新「財産保全特措法案」
自公国民「救済特例法案」審議入り
解散命令請求が出されている旧統一教会の被害者救済のための与野党2つの法案が 11 月 21 日、 臨時国会に提出された。 立憲民主党と日本維新の会は、 10 月に提出していた2つの法案をそれぞれ取り下げ、 立憲民主党案に検討規定を追加した 「財産保全特措法案」 に一本化。 自民党と公明党、 国民民主党は、 国から解散命令を請求された宗教法人が不動産を処分する前に行政機関への通知を義務づけ、 日本司法支援センターが被害者の資力を問わず民事事件手続に必要な費用を立て替えるなどの特定を規定した 「被害救済特例法案」 を提出した。 24 日から衆議院法務委員会で審議入りし、 文部科学委員会、 消費者問題特別委員会との連合審査が行われる。(相川優子)
地球温暖化など「関心ある」89.4%
気候変動に関する世論調査、内閣府
政府は 11 月 10 日、 「気候変動に関する世論調査」 の結果を公表した。 「地球温暖化などの気候変動が引き起こす問題に関心があるか」 の問いに対して、 「関心がある (関心がある・ある程度関心がある)」 人の割合が 89.4%を占め、 前回 (2020 年) の調査時の 88.3%と比較して、 1.1 ポイント増加した。 森林吸収やイノベーションで、 温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする 「脱炭素社会」 について、 「知っていた (知っていた・言葉だけは知っていた)」 と答えた人の割合は 83.7%で、 前回の 68.4%から 15.3 ポイント増加した。 農作物の品質低下や野生生物の生息域の変化、 大雨の頻発化に伴う水害リスクの増加といった 「気候変動影響」 について、 「知っていた」 と答えた人の割合は 87.6%で、 前回の 93.6%から6ポイント減少したことが分かった。(原田恵理)