2023年度地方消費者行政現況調査結果
相談員いない自治体701市町村
60歳以上の相談員48.2%
2023 年度の地方消費者行政現況調査結果が 11 月 30 日、 ようやく公表された。 2019 年度以降 111 人減少していた消費生活相談員が 19 人増えたとしているが、 12 人増えたと報告した自治体を取材すると、 8人体制に変わりはないが消費者庁の要綱に従って法人委託先が4月に派遣した人数 20 人に変更したと説明した。 相談員がいない自治体は 2019 年度以降 98 自治体増え、 701 自治体になった。 相談員の年代調査が今回から加わり、 40 歳以上の相談員が 96.9%、 60 歳以上の相談員が 48.2%を占めていることが明らかになった。 昨年中止された相談員の雇い止め調査は復活したが、 都道府県では雇用期間の更新回数に制限がある自治体が 49.7%と、 2021 年度に比べ 12.5ポイントも増えていた。 2023 年度に相談員人件費に国の交付金を活用している自治体は 470 自治体に上るが、 2027 年度までに順次その活用期限を終える。 今後、 全国で消費生活相談員による相談体制を維持していくことができるのか。 消費者庁が地方自治体にどのような財政支援をしていくのかが問われる。(相川優子)
消費生活係もない都道府県5県に
市町村職員減少、兼務割合1割51.6%
2023 年度に消費者行政を専ら担当する消費生活係すらない都道府県が1つ増え、 5県になった。 地方自治体で消費者行政を担当する事務職員数は 2020 年度に 44 人減って以降ほぼ横ばいで、 本年度は5人減った。 2014 年以降9年ぶりに都道府県の職員9人 (専任職員 14 人増、 兼務職員5人減) 増えたが、 市町村の職員が 12 人 (専任職員9人増、 兼務職員 21 人減) 減った。 政令市の職員も2人 (専任職員3人減、 兼務職員2人増) 減った。 市町村の職員のうち、 10%しか消費者行政の仕事をしない兼務職員は 31 人も増え、 兼務職員全体の 51.6% (前年度 50.4%) を占めている。(相川優子)
会長に大藪千穂氏選出
第6期消費者教育推進会議初会合、消費者庁
消費者庁は 11 月 29 日、 第 36 回消費者教育推進会議を開催した。 10 月1日に発令された第6期消費者教育推進会議委員による同会議は今回が1回目で、 初顔合わせとなった。 冒頭の挨拶で、 自見英子消費者担当相が、 「第6期は消費者を取り巻くさまざまな変化を踏まえ、 時代の変化や要請に応じて迅速かつ実効性のある取り組みにつないでいきたい」 と述べた。 今期の会長と会長代理の選出も行われた。 会長には、 日本消費者教育学会会長の大藪千穂氏 (国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学副学長・教育学部教授) が選出された。 会長代理には、 大藪新会長の指名により坂本有芳氏 (国立大学法人鳴門教育大学大学院学校教育研究科教授) が選出された。(原田恵理)